日本のエネルギー問題はそれほど深刻ではない:原発不要?エネルギー需給と人口動態の動向から考えられること
2011年の東日本大震災で発生した、福島第一原子量発電所事故以降、日本では電力をはじめとした「エネルギー問題」が継続して議論されています。
- 停止中を含めた、既存の原子力発電所はどうするのか?
- 現在から将来のエネルギー需給をどうしていくのか?
- 新エネルギー技術は?
さらに、先日の北海道胆振東部地震では火力発電所が停止し、北海道全土でブラックアウトにまで至りました。
安定、安心とされていた火力発電所も盤石ではないのかもしれません。
日本におけるエネルギー需給の見通しについて、少し調べてみました。
目次
国内のエネルギー事情
2015年時点のエネルギー供給構成比率をみてみました。
一方、震災前の2010年は、
- 15%強のエネルギーを原子力で補っていた
- 火力が80%程度
- 水力4%、地熱や 新エネルギー 2.6%
2011年を節目に、火力一辺倒のエネルギー依存体制になっています。
水力、地熱や新エネルギーへのシフトを推進していますが、2010年から2015年で微増したに微増したにすぎません。
原発再稼働推進派の意見は、このまま火力だけでエネルギー供給をしていくことで、「環境問題、発電コストはどうするんだー」、「新エネルギーなんてすぐに無理だろがー」、ってことです。
エネルギー消費量は経済が成長すれば増えていきます。
逆に言うと、経済成長するにはエネルギー供給を盤石にしないとだめだろってことでしょう。
でも、ちょっと気になることがあります。
日本のエネルギー消費量が1973年から2015年の間に1.2となっています。
ところが、2005年ころをピークに横ばいから、緩やかに低下しているのです。
これには、バブル崩壊以降の経済成長の鈍化、および技術の進歩によりエネルギー消費効率の向上があると思われます。
でももう一つポイントがあるのです。
日本の人口動態を見てみた
2005年以降、日本になにが起こったのか?
それは少子高齢化による人口減少です。
日本の人口は1970年に約1億人でしたが、1995年に約1億2550万人にまで急激に増加しました。
しかしその後増加は緩やかになり、2005年から2010年の約1億2800万人をピークに減少に転じているのです。
これは先ほど述べた、エネルギー需要の増減に一致しますね!
さらに、今後、人口減少が急激に進むと予想されており、2030年には1億2000万人2055年には1億人を下回ると言われています。
このことから、今後エネルギー需要は確実に減少していくと考えられます。
結論
エネルギー需要を満たすために原発が必要という、原発推進派の意見はちょっと疑問です。
ましてや、原子力イケイケだった2010年頃も、依存度はたった15%。
数十年のうちに、火力でも余りが出てくるかもしれません。
「人口が減るんだから、わざわざリスクの多い原子力発電は、無くても大丈夫っしょ?」ってことです。
新設なんてもってのほかです。
ただ、今ある原発をどうするか?という点にはすこし考える余地があるかもしれません。
人口減少までの短い期間をどう乗り切るか?
耐用年数が40 ~60年と言われている原子力発電所ですから、「既存の、比較的新しくリスクの少ない施設のみを稼働して、人口減少とともにフェードアウトしていく」ということなら検討の余地はあるかと思います。
既存のものは使い切って、古くなったころに人口も減って万事解決!ってのもありかもしれません。
では。